読書感想 凍る体
Kindle Unlimited対象作品です。
著者 船木上総さんのクレバスに転落した当時の状態とその後の社会復帰までの体験談が書かれてあります。
特に低体温症については詳しいです。
山の雑誌や本などに書かれてある対策とは比べものにならないくらい情報が豊富でわかりやすい言葉で説明してあります。
実際に、低体温症になった場合の症状と進行速度、対処方法など、知ってそうで知らないことばかりでした。中には禁忌なものもありましたし。
九州の山で、夏で、大丈夫だろうと思っても、雨に打たれて疲れて体が冷えて寒くて震えて…と、低体温症の初期の症状が出た場合、何も処置しなければ3時間で死んでしまうそうです。
寒くて体が震えて…と初期の症状であれば、わたしでも打つ手アリです。自力で体温産生が望めるでしょう。
震えが止まって、歩くにもままならず、自分の言ったことも忘れてしまうようならもう自力救助は困難。救援を呼んだ方がいいです。
つまり、初期段階がポイントです。
初期段階でできることは、濡れた衣服を着替えること、服を着て暖かくすること、雨風を避けること、温かい飲み物や食べ物を摂ること。
これで予後が変わるのです。
この本も読んで良かったと思います。
低体温症に対する知識が少し増えました。